任意後見制度の手続きを解説!契約から後見開始までの流れと必要書類
2026/01/22
将来、認知機能が衰えた時に備えて、信頼できる人に生活面や資産管理を委ねられるのが「任意後見制度」です。
しかし、実際に制度を利用するには、任意後見人との契約や公正証書化、家庭裁判所への申立て等、いくつかの手続きがあります。
本記事では、任意後見制度の手続きや必要書類、注意点を詳しく解説します。
ひと目で分かる!任意後見制度と全体的な手続き
任意後見制度とは、将来的に認知機能や判断力に問題が起きた場合に備えて、あらかじめ選んだ人に財産管理や生活支援を委任できる仕組みです。
例えば、公共料金の支払いや介護サービスの契約、医療機関との手続き等、日常生活に関わる様々な場面で支援を受けられます。
契約は本人が元気なうちに結び、実際に後見が始まるのは認知機能が落ちたと医師や家庭裁判所が認めた後になります。
任意後見契約の手続きもまとめたので、ご覧下さい。

任意後見制度は大きく2段階あります。
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契約から後見開始まで期間が空くこともあり、長期的な視点で準備を進めるのがおすすめです。
任意後見制度の手続き①任意後見契約を結ぶ準備

任意後見制度を利用する場合、まずは事前準備が大切です。
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任意後見契約を取り交わすための準備を、詳しく解説します。
任意後見人(任意後見受任者)を決める
任意後見契約は本人と任意後見人の間で取り交わす契約です。
まずは、将来の生活や財産管理を安心して託せる任意後見人(後見を開始するまでは任意後見受任者)を選びましょう。
任意後見人は家族や親せき、身近な友人等基本的に誰でもなれますし、士業の専門家や自治体のサービスも利用できます。
ただし、以下に当てはまる人は任意後見人になれません。
- 18歳以下の未成年者
- 家庭裁判所の判断により成年後見人を解任された人
- 破産申請をしている人
- 行方不明の人
- 本人に過去または現在で訴訟を起こしている人とその家族
- その他、家庭裁判所が任意後見人にふさわしくないと認めた人
任意後見契約は、本人が亡くなるまで続く可能性があるため、継続的に信頼できる人物を選ぶのが大切です。
また、後見人の変更は原則としてできないため、慎重に検討しましょう。
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任意後見契約の内容を決める
任意後見契約を交わす前に、どのような支援を依頼するか決めておきましょう。
任意後見契約の内容は、財産管理から医療手続き、介護サービスの利用手続きの代行等、本人の希望に応じて柔軟に設定できます。
契約の内容は曖昧な表現を避け、具体的に書面として残すと、後のトラブルを防げます。
例えば「必要に応じて医療機関との契約を代行する」ではなく、「入院手続き、通院の付き添い、医療費の支払いを含む」と明記することで、後見人も判断しやすくなります。
契約内容によっては、任意後見監督人への報酬額が変動する場合もあるため、専門家に相談しながら整理するのがおすすめです。
任意後見制度の手続き②公証役場で任意後見契約を結ぶ

契約内容がまとまったら、公証役場で任意後見契約を締結する手続きを行います。
任意後見契約は公正証書として作成することが、法律で義務付けられています。
本人と任意後見人で公証役場に出向き、公証人の前で契約を結びましょう。
全国どの公証役場でも手続き可能ですが、事前に予約をする必要があります。
公証役場で任意後見契約を結ぶ際の必要書類と費用
公証役場で任意後見契約を結ぶ際に必要な書類は、以下の通りです。
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書類は最新のものを用意し、事前に公証役場へ確認すると安心です。
任意後見契約を結んで公正証書化する費用は、以下の通りです。
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任意後見契約書の登記は公証役場で自動的に行われる
任意後見契約が締結されると、契約書は公証役場で登記の手続きが行われます。
任意後見契約書の登記は、公証人が法務局に申請を行うため、本人や任意後見人が行う必要はありません。
任意後見契約書が登記されると、登記完了通知が届くので、大切に保管しましょう。
任意後見制度の手続き③判断力の低下後に家庭裁判所に申立てる

任意後見契約を公証役場で結んでから実際に後見を開始するまで、一般的にはある程度の期間が空きます。
なぜなら、任意後見契約は本人が元気で認知機能がある時にしか結べませんが、後見を開始するのは医師や家庭裁判所が必要性を認めた後になるからです。
そのため、任意後見人になる人は定期的に本人の様子や健康状態を確認しておくとよいでしょう。
本人が認知症の診断を受けた時や、日常生活に支障が出始めた時を目安に、家庭裁判所に「任意後見監督人選任の申立て」を行います。
家庭裁判所への申立ては、本人自身のほか、任意後見人、本人の配偶者、四親等以内の親類が行えます。
家庭裁判所で申立てを行う際の必要書類と費用
家庭裁判所に任意後見監督人選任の申立てを行う際、必要な書類は以下の通りです。
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任意後見監督人選任の申立ての申告書は、裁判所のホームページからダウンロードしたり、直接裁判所で受け取ったりできます。
また、任意後見監督人選任の申立てにかかる費用は以下の通りです。
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別途、任意後見監督人選任の申立てに必要な戸籍謄本や住民票等の取得費用、医師の診断書の料金等がかかります。
任意後見制度の手続き④任意後見監督人の選任

申立てが受理されると、家庭裁判所が審査を行い、必要と判断された場合に「任意後見監督人」が選任されます。
任意後見監督人が選任されると家庭裁判所から審判書が郵送されるので、内容を確認し、後見人と監督人が連携して支援を始めます。
任意後見監督人が選任されるまでは後見を開始できないので、注意しましょう。
任意後見監督人への費用
任意後見が開始されると、任意後見監督人に毎月報酬が発生します。
任意後見監督人への報酬は管理財産額に応じて、以下の目安で支払われます。
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また、後見開始後は任意後見人にも契約書に記載した範囲で報酬が支払われます。
任意後見は、基本的に本人が亡くなるまで続くので、あらかじめ家族への負担や費用を確認したうえで契約に進みましょう。
任意後見制度の手続き⑤後見の開始

任意後見監督人が選任されると、任意後見人の業務が正式に始まります。
任意後見人は、契約内容に基づいて財産管理や本人へのサポートを行いましょう。
任意後見監督人は、任意後見人が問題なく業務を行っているか監査し、定期的に家庭裁判所に報告します。
任意後見契約の手続きに関する注意点

任意後見契約の手続きには、いくつかの注意点があります。
任意後見制度を利用してご自分の希望に沿ったサポートを受けられるか、考えながら読んでみて下さい。
任意後見制度だけでは不十分な場合がある
任意後見制度では、財産の管理や支払の代行、介護サービスや医療機関との契約代行等に対応しています。
しかし、遺言書や遺産相続にまつわることや、死後の事務手続き等は対応できません。
また、本人が勝手に結んでしまった売買契約等の解除も任意後見人には行えません。
自分が希望する内容によっては、任意後見制度とあわせて死後事務委任契約や遺言書を併用しましょう。
基本的に本人が死亡するまで任意後見制度は続く
任意後見契約は、原則として本人が死亡するまで継続します。
長期的な支援が前提となるため、信頼性の高い人に後見人を頼んだり、報酬のための財源を確保したりといった対策も行いましょう。
また、契約内容に終了条件を明記しておくことで、柔軟な対応も可能です。
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任意後見制度の手続きは専門家と相談しながら進めると安心です

任意後見制度は、将来の安心を支える大切な仕組みです。
しかし、契約内容の整理や手続きには専門的な知識が必要な場面も多く、個人だけで進めるのは不安を感じる方もいらっしゃいます。
キャストグローバルでは、任意後見制度に関する無料相談や手続きのサポート等も承っているので、お気軽にお問い合わせ下さい。
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岡野 慎平
司法書士法人キャストグローバル 広島事務所 代表
株式会社キャストグローバル 代表取締役
司法書士法人キャストグローバル 中四国九州エリア統括
司法書士法人キャストグローバル広島事務所の代表を務め、株式会社キャストグローバル 代表取締役・司法書士法人キャストグローバル 中四国九州エリア統括として、グループ内の知見とネットワークを活かした支援体制の整備とサービス品質の向上に取り組む。司法書士としては相続を中心とした法的手続きを扱い、これまでに相続に関する相談・手続き支援を累計1,000件対応してきた。

北村 寿恵
相続コンサルタント
相続コンサルタントとして司法書士法人キャストグローバルと連携し、相続に関するコンサルティング業務を担当。終活セミナーをはじめとした企画・講師経験を活かし、専門的な内容をわかりやすく整理しながら、相談者の不安を「安心」に変える支援を信条としている。また、三原市福祉協議会の講演の講師も担当。これまでに相続・終活に関する個別相談を累計2,000件対応しており、司法書士と連携しながら、手続き完了まで誠実にサポートを行っている。
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