遺言書の種類や作成方法、トラブルを避けるための注意点も紹介
2025/04/25
ご自身が亡くなった後の財産分与に不安がある場合は、遺言書の作成がおすすめです。
なぜなら、遺言書には誰にどの財産をどのくらい相続させるか、意志に沿って明記できるからです。
しかし、遺言書には主に2つの種類があり、正しく作成しなければ死後に無効として認められない場合もあります。
本記事では遺言書の種類ごとのメリットとデメリット、作成方法をくわしく紹介します。
遺言書を確実に残すために注意したいポイントも解説するので、ぜひ参考になさってください。
遺言書の作成方法は主に2種類
遺言書は相続する方法や割合をご自分で決められるため、特定の方に財産を渡したい場合や死後に家族間の遺産トラブルを避けたい場合に作成しておくのがおすすめです。
ただし、遺言書は主に以下の2種類があり、作成の手順や費用なども異なります。
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2種類の遺言書にはメリットとデメリットがそれぞれあるため、ご自分にとって利便性が高い方を選んで作成するといいでしょう。
そのほかにも、内容を明かさずに公証役場に存在だけを証明してもらう「秘密証書遺言書」や、特殊な状況に置かれた場合のみ有効になる「特別方式遺言」がありますが、本記事では「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」について解説します。
自筆証書遺言の特徴と作成方法
自筆証書遺言は、遺言を残す方(遺言者)が直筆で記し、署名・押印した遺言書のことです。
自筆証書遺言は自分一人で作成でき、以下の要件を満たせば死後に法的効力を発揮します。
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☑自筆証書遺言の特徴
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遺言書に使う紙やペンの様式、形状に指定はなく、文字が消えない万年筆やボールペンであれば問題ありません。
自筆証書遺言を作成するメリット
自筆証書遺言のメリットを紹介します。
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自筆証書遺言は、自分で紙と筆記用具を用意して自宅などに置いておくなら、作成にかかる費用は一切ありません。
内容を第三者に見せる必要もないので、遺言書の内容は秘密にできて、内容に変更を加えたい場合は作り直せるのもメリットです。
もし、死後に複数の自筆証書遺言が残されていた場合は、一番新しい日付の内容が効力を持ちます。
自筆証書遺言を作成するデメリット
自筆証書遺言を作成するデメリットは、以下があります。
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自筆証書遺言は、第三者が内容を確認しない分、万が一要件を満たしていない場合も自分で気が付きにくく、結果的に亡くなった後に見つかっても無効になる場合があります。
さらに、自分で保管した後に隠し場所を忘れたり紛失したりする可能性もあるでしょう。
もし、家族に自筆証書遺言の存在を告げていない場合は、ご自身の死後に見つからず意図しない内容で財産分与が進むかもしれません。
一方、家族に自筆証書遺言の存在や隠し場所を伝えている場合は、内容の改ざんや破棄されるケースもあるため注意が必要です。
遺言者の死後には、家族などの相続人が自筆証書遺言の中身を勝手に確認できず、家庭裁判所で検認してもらわなければいけません。
自筆証書遺言保管制度を利用しよう
画像引用:自筆証書遺言保管制度について-法務省
自筆証書遺言には隠し場所を忘れたり、家族に見つけてもらえなかったり、改ざんされる可能性があるなどのデメリットがあります。
上記のデメリットをカバーするため、遺言書を遺言保管所で保管してもらう「自筆証書遺言保管制度」の利用がおすすめです。
その場合、自筆証書遺言の要件・様式に沿ったものだけを預かってもらえるため、記載漏れや印鑑の押し忘れなどがあれば気が付けるという利点があります。
自筆証書遺言保管制度を利用する場合は、以下の条件をクリアしていなければいけません。
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自筆証書遺言の原本は画像データとあわせて遺言書保管所で管理し、無くしたり第三者に書き換られたりする恐れがなく、死後に家庭裁判所で検認する必要もありません。
最大3名までの相続人を指定すれば、自身の死後に遺言書が保管されている旨の通知がいくのも大きなメリットです。
自筆証書遺言の作成方法
自筆証書遺言の作成から遺言書保管所での保管の流れをまとめました。
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まずは自宅などでA4の紙の片面に必要な要件を満たした自筆証書遺言を作成します。
画像引用:自筆証書遺言書保管制度―法務省
あわせて最寄りの法務省や法務省のホームページから「遺言書の保管申請書」を取得して、必要事項を記入します。
自筆証書遺言保管制度を利用する際は、以下の書類の提出も必要です。
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遺言書保管所へ手続きに行く際は、法務省のホームページなどから予約が必須です。
ちなみに、遺言書の保管申請ができる遺言書保管所は以下のいずれかになるので、確認しておきましょう。
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遺言書保管所で申請手続きを行うと、その場で保管証が受け取れるので大事に保管してください。
公正証書遺言の特徴と作成方法
自筆証書遺言は自分で直筆作成するのに対し、公正証書遺言は公証役場で公証人が遺言書の作成を行います。
公証人が遺言書を作成することで書き間違いや内容の相違が起きにくく、保管も公証役場で行うので安心です。
公正証書遺言を作成するメリット
公正証書遺言を作成するメリットは、主に以下のとおりです。
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公正証書遺言書は公証人が書面を作成するため、記載漏れや不備を理由に遺言書が無効になる心配がありません。
また、遺言書を公証役場で保管するため、紛失したり第三者に改ざんされたりする心配がないのも大きなメリットです。
公正証書遺言を作成するデメリット
公正証書遺言を作成する場合、以下のデメリットも理解しておきましょう。
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公正証書遺言の作成は相続される予定の財産の価値で計算される手数料がかかり、例えば1,000万円以上3,000万円以下の財産がある場合の手数料は23,000円です。
また、手数料は相続人1人あたりの金額なので、上記の財産で例えば3人の相続人がいる場合は23,000円×3人分で69,000円となります。
さらに、公正証書遺言を作成するうえで2人の証人の立会いが必要です。
公正証書遺言の作成後に内容を書き換えたい場合も、公証役場で一度撤回の手続きを行い、再度新たな公正証書遺言を作成なければならないため、手間がかかるのもネックです。
公正証書遺言の作成方法
公正証書遺言を作成する手順をまとめました。
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公正証書遺言は公証役場で公証人に依頼し、作成します。
公正証書遺言の作成時には、公正役場へ以下の書類などが必要です。
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公正証書遺言を作成する際には、最寄りの公正役場へ予約をしたうえで出向きましょう。
遺言書作成の注意点
遺言書は財産の使い道や思いを家族などに伝えるうえで、重要な役割を持ちます。
しかし、遺言書が無効になったりトラブルを引き起こしたりするケースがあるのも事実です。
遺言書を作成するうえで注意すべき点を紹介します。
まずは財産目録を作成する
遺言書を作成する際は、まずは相続財産をまとめた財産目録を用意するのがおすすめです。
財産目録は遺言者が持つ不動産や株、預貯金などの財産と、ローンや借金などの負債のどちらも記載し、リスト化したものを指します。
財産目録を参照しながら誰にどの財産を相続するのか考えていくと、漏れもなく後から修正が必要になることも防げます。
自筆証書遺言とあわせて作成する場合でも、財産目録は直筆でなくWordやExcelなどを印刷したものでも問題ありません。
遺言保管所や公証人は遺言内容の助言はしない
遺言書を作成する上で遺言の内容は適切なのか、不安になることもあるでしょう。
自筆証書遺言は法務省に預ける場合、遺言保管所で要件や様式の確認が行われますし、公正証書遺言の場合も公証人が作成するため書類上は問題ありません。
ただし、遺言内容や分配方法、負債はどう処分するかといった相談は受け付けていません。
遺言の内容について不安がある場合は、司法書士や弁護士が専門家として味方となってくれますので、気軽に相談してみてください。
自筆証書遺言は自筆以外無効
自筆証書遺言は、遺言者が直筆で作成するのが原則で、パソコンを使ったり特段の理由がない限り他の人が代筆することは認められていません。
また、遺言者が自分で作成するという原則から自筆証書遺言は1人1式が基本で、例えば夫婦の総意として共同で自筆証書遺言の作成はできません。
書面以外での遺言は無効
自筆証書遺言は、書面に遺言を自分で書くことで効力を持ちます。
例えば、動画で遺言内容を撮影したり、メールなどに記したりしても、遺言書としては無効となります。
遺留分の侵害はトラブルに発展する可能性がある
遺言書を作成すれば、ご自身の財産を希望に沿って自由に分配できますが、特定の人にすべて相続させるなど相続人や法定相続分を無視した方法を取る場合は注意が必要です。
遺産相続は遺言者の家族構成や続柄、人数によって法定相続人と法定相続分が決められており、遺言書がある場合はその内容が優先されますが、法的相続人には最低限受け取れる遺留分が定められています。
法定相続人の遺留分に配慮しない内容で遺言書を作成した場合、法定相続人が納得しなければ遺留分の請求ができ、遺言書で指定された相続人は金銭などで代償しなければなりません。
例えば、全額を寄付したり法定相続人ではない人に一括相続させたりすると、トラブルに発展する可能性があります。
遺言書作成を確実に行うなら専門家にまずは相談を
遺言書を作成する場合、「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」のうちどちらかを選ぶのがおすすめです。
「自筆証書遺言」はできるだけ費用をかけたくない方や内容を変更する可能性がある方に、「公正証書遺言」は費用や手間がかかっても確実に遺言を残したい方に向いています。
ただし、遺言の内容については相続人の数や財産によってよく考えたうえで作成する必要があるため、まずは専門家に相談をしたうえで進めると安心です。
キャストグローバルでは自筆証書遺言から公正証書遺言の作成まで、遺言に関するお悩みを幅広くサポートしておりますので、まずは無料相談からお気軽にご利用ください。

岡野 慎平
司法書士法人キャストグローバル 広島事務所 代表
株式会社キャストグローバル 代表取締役
司法書士法人キャストグローバル 中四国九州エリア統括
司法書士法人キャストグローバル広島事務所の代表を務め、株式会社キャストグローバル 代表取締役・司法書士法人キャストグローバル 中四国九州エリア統括として、グループ内の知見とネットワークを活かした支援体制の整備とサービス品質の向上に取り組む。司法書士としては相続を中心とした法的手続きを扱い、これまでに相続に関する相談・手続き支援を累計1,000件対応してきた。

北村 寿恵
相続コンサルタント
相続コンサルタントとして司法書士法人キャストグローバルと連携し、相続に関するコンサルティング業務を担当。終活セミナーをはじめとした企画・講師経験を活かし、専門的な内容をわかりやすく整理しながら、相談者の不安を「安心」に変える支援を信条としている。また、三原市福祉協議会の講演の講師も担当。これまでに相続・終活に関する個別相談を累計2,000件対応しており、司法書士と連携しながら、手続き完了まで誠実にサポートを行っている。
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