親の遺産を相続できるのは?法定相続人の順位や割合、手続きの流れ
2024/12/21
親御さんが亡くなった後に遺産を相続できるのは誰なのか、気になる方もいらっしゃるでしょう。
遺言書がない場合、親の遺産を相続できる人は相続人全員で「遺産分割協議」を行い、決めることになります。
遺産分割協議に参加できるのは「法定相続人のみ」で、民法により優先順位や割合の目安が決められています。
本記事では親の遺産を相続できる「法定相続人」はどの立場の人でどのような割合で受け取れるのか、パターンや順位を紹介します。
親の遺産を相続するために必要な手続きや注意点なども解説するため、参考になさってください。
親の遺産を相続できる法定相続人の順位
子どもから見た親の遺産を相続できる法定相続人の順位や割合は、親の配偶者(子から見た父または母)の有無によって異なります。
法定相続人の順位や割合を詳しく解説します。
常に相続人:親の配偶者(子から見た父または母)
子から見た父または母が亡くなった場合、法定相続人となるのは親の配偶者、つまり存命している方の親です。
親のうちどちらか一方がいる場合は、子どもから見て以下の割合で財産が分配されます。
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親の配偶者は常に法定相続人となり、相続財産を受け取ります。
第1順位:子ども
親が亡くなった場合、親の配偶者(子から見た父または母)が半分、第1順位の子どもも同じく半分を受け取ります。
ただし、親の配偶者が亡くなっている場合、つまり子から見て父も母もいないときは子どもが遺産の全部を相続します。
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子どもが複数いる場合は、相続した遺産を均等に人数で分配します。
ちなみに、親が離婚している場合、片親が存命でも「親の配偶者はいない」扱いになり、子どもが遺産の全部を相続します。
子どもが亡くなっている場合:孫やひ孫
もし、親が亡くなったときに子どもがすでに亡くなっている場合は、子のさらに子どもや孫が代わりに相続する「代襲相続」が適用されます。
子の代わりに孫やひ孫が相続する場合も、受け取れる遺産相続の割合は子どもが受け取るときと変わりません。
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もし、親の配偶者と子で分ける場合、子のうち1人が亡くなっているパターンでは以下の分け方となります。
もし、親の配偶者がおらず、子どもで遺産の全部を分配するときも、亡くなった子の代わりに孫やひ孫が受け取り、ほかに子の兄弟がいない場合は1人ですべての財産を相続する可能性もあります。
子も孫も相続できない場合:直系尊属か兄弟姉妹
もし、親の子が先に亡くなっており代襲相続できる孫やひ孫もいない場合、親の配偶者(子の父や母)がまず相続人となります。
さらに直系尊属(親の父や母、祖父母)が存命であれば、配偶者と法定相続分の目安に沿って財産を分配します。
また、親の直系尊属がいなければ、配偶者と親の兄弟姉妹が法定相続人となります。
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例えば、子が親より先に亡くなっており、孫やひ孫もおらず、親の直系尊属もいない場合は以下の分け方となります。
上記のパターンでは、兄弟姉妹は財産の全体の1/4を人数で分配し、さらに兄弟姉妹のうち亡くなっている方がいればその子が相続します。(法定相続人になれるのは甥・姪まで)
親の遺産を相続する流れ
子どもが親の遺産を相続する際に行なう必要がある手順をまとめました。
- 遺言書を確認する
- 相続放棄の有無を決める
- 相続人全員で遺産分割協議を行う
- 遺産を分配する
親の遺産を相続する流れを順番に説明していきます。
1.遺言書を確認する
親が亡くなった際に遺産を相続する人や割合の目安は民法で決まっていますが、まず優先されるのは遺言書です。
もし、親が配偶者や子ども以外に財産を残したいと遺言を残していた場合は、その内容が重視されます。
遺言書の有無や内容をまずは確認し、法定相続人以外に指定された人がいないか調べましょう。
2.相続放棄の有無を決める
遺産は預金や不動産、株などプラスの資産はもちろんですが、借金や負債などのマイナスの財産も引き継がなければいけません。
例えば、遺産が現金で1,000万円あり、借金が2,000万円あったとします。
配偶者と子で1/2ずつ相続する場合は、配偶者と子で現金を500万円ずつ分配し、借金も1,000万円ずつ負担します。
しかし、プラスの財産もマイナスの債務も相続しない「相続放棄」を選択すれば借金を返済する義務はありません。
また、プラスの財産を上限としてマイナスの債務を引き継ぐ「限定承認」を選べば、現金500万円を上限として借金500万円を返済します。
ただし、「相続放棄」または「限定承認」を選ぶには家庭裁判所への申告が必要で、相続が開始されてから3か月以内の期限があるため注意が必要です。
3.相続人全員で遺産分割協議を行う
遺言書がなく、相続放棄の手続きをするかを決めたら、法定相続人となる人全員で遺産をどのように分けるか決める「遺産分割協議」を行います。
遺産分割協議で大きな指標となるのが、先ほど説明した法定相続人と法定相続分の目安です。
4.遺産を分配する
遺言書や遺産分割協議で財産の分け方を決めたら、実際に遺産の分配を行います。
遺産の分け方には主に3つの方法があります。
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また、遺産の分配後には相続税の納付や相続登記など様々な手続きが必要なため、司法書士や税理士に相談しながら進めるのがおすすめです。
親の遺産を相続する際に注意すべきこと
子どもが親の遺産を相続する際に注意すべきポイントを4つ、紹介します。
・遺産分割協議は相続人全員の同意が必要
・親の子どもには養子や離婚した子も含まれる
・相続放棄する場合は期限がある
・遺留分も理解する
遺産分配後のトラブルを防ぐために、ぜひ目を通してみてください。
遺産分割協議は相続人全員の同意が必要
遺言書が残されていない場合、実際にどのように遺産を分配するかは遺産分割協議を行って決めます。
遺産分割協議は原則として相続人全員が出席して同意する必要があるため、もし家族と疎遠になっている場合でも参加しなければいけません。
親の子どもには養子や離婚した子も含まれる
子どもで親の遺産を分配する場合、子どもとして扱われるのは養子縁組した人や親の前の配偶者との子どもも含まれます。
親が以前に結婚していたことを知らないケースや、実は異母兄弟がいたケースなども想定されるため、遺産分割協議の前に親の戸籍謄本を確認しておくことをおすすめします。
もし、養子や自分の知らない兄弟姉妹が存在した場合は、遺産分割協議に呼ばなければいけません。
相続放棄する場合は期限がある
遺産はプラスだけでなく、マイナスの債務も引き継がなければいけません。
また、親やほかの兄弟姉妹との関係により遺産分割協議に参加したくない場合もあるでしょう。
相続放棄をすれば「相続人ではない」として扱われるため、債務を負担したくない場合や遺産分割協議に参加したくないときに有効です。
しかし、相続放棄の手続きができる期間は相続人が自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内のため、注意が必要です。
遺留分も理解する
遺産相続の際は遺言書の内容が最優先として扱われます。
例えば、配偶者と子どもなど法定相続人には遺産が渡らないよう、財産の全額を第三者や寄付などに回すよう遺言が残っているとします。
しかし、法定相続人には最低限遺産を受け取れる「遺留分」があるため、すべてを遺言書通りにするのは難しいでしょう。
※兄弟姉妹(甥・姪)には「遺留分」はありません。
遺産相続の手続きや戸籍謄本の確認は専門家に依頼するのもおすすめ
親の遺産を相続する際には、まず遺言書を確認し、自分が知らない家族がいないか戸籍謄本を調べるなどの手順を踏む必要があります。
遺言書がない場合は遺産分割協議を行いますが、その際目安となるのが法定相続分です。
例えば、親の配偶者(子から見た父または母)と子どもで分配する場合は、それぞれ1/2となります。
ただし、親の戸籍謄本を調べてどこまでの範囲が法定相続人なのか確認するのは労力がかかるため、まずは司法書士など遺産相続に関する専門家に調査を依頼するのも方法のひとつです。
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