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遺産相続は生活保護中に可能?受給停止になるパターンと注意点を解説

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遺産相続は生活保護中に可能?受給停止になるパターンと注意点を解説

遺産相続は生活保護中に可能?受給停止になるパターンと注意点を解説

2025/01/05

「遺産の相続で生活保護の支給がなくなるのでは」と気になっている方もいるのではないでしょうか。

結論から言うと、生活保護中に遺産を相続しても、引き続き給付が受けられることがあります。

ただし、相続の内容によっては生活保護が打ち切りになる恐れもあるため、注意が必要です。

本記事では、相続で生活保護が打ち切りになるパターンや、遺産をもらいつつ生活保護を継続できるパターンを詳しく紹介します。

生活保護を受けながら遺産を承継する際の注意点も説明するので、疑問や不安を持っている方はぜひご覧ください。

遺産相続により生活保護が打ち切りになる可能性はある

生活保護の書類

相続で得た財産によって、以下に当てはまる状況下では生活保護の対象から外れる可能性があります。

  • 生活保護受給額より高額の遺産を受け取った⇒停止
  • 将来的に生活できる遺産を引き継いだ⇒廃止

生活保護の資格が「停止」や「廃止」になるのは、どのような時か詳しく説明いたします。

生活保護受給額より高額の遺産を受け取る場合は停止

遺産が生活保護費より高かったら、もらった財産は収入認定となり、生活保護の対象から外される恐れがあります。

ただし、相続した財産だけで生活は維持できないと認定されれば、一時的に生活保護の支払いを行わない「停止」となります。

相続の手続きは完了までに時間がかかることが多く、すぐに現金などが手元に入ってこないこともあるため、生活保護の停止がすぐに執行される心配は少ないでしょう。

しかし、生活保護の停止決定後は相続発生時点に遡り、生活保護費の返却が求められることもあるので、まずはケースワーカーに確認してみてください。

将来的に生活できる遺産を引き継いだ場合は廃止の可能性

今後生活保護を利用しなくても十分生活できる遺産があれば、生活保護の資格が「廃止」になることも考えられます。

なぜなら、生活保護は「最低限度の生活の需要を満たすため」のもので、遺産の継承により生活が保障されれば制度を利用する必要がないと判断されるからです。

ただし、生活保護の廃止は遺産の額や内訳だけでなく、受給者の年齢や性別、世帯人数や地域など様々な条件を加味して検討されます。

また、生活保護が廃止となっても生活に困るような状況に陥った時は、再申請もできるので安心です。

遺産相続後も生活保護が打ち切りにならないパターン

生活保護が打ち切りにならないパターン

以下のパターンに当てはまる相続は、生活保護が継続できる見込みがあります。

  • 生活保護受給額より遺産が少ない
  • 自宅など生活に必要なものを相続した
  • 処分が困難な財産を相続した

遺産を引き継いでも生活保護の打ち切りを避けられるケースを、詳しく見ていきましょう。

パターン1.生活保護受給額より遺産が少ない

相続する財産が生活保護費より少ない時は、支給が続けられることが多いです。

なぜなら、相続により収入は一時的に増えますが、引き継いだ財産だけでは今後も生活を維持できないと判断されるからです。

ただし、遺産の額や内訳は必ず担当の福祉事務所やケースワーカーに正確に伝えなくてはいけません。

パターン2.自宅など生活に必要なものを相続した

受け取った遺産が生活に必要なものや使用していたものなら、支給が止められることは少ないと言えます。

例えば、同居している親が亡くなり、親の名義だった自宅や移動手段として使っていた車を相続するなどが該当します。

パターン3.処分が困難な財産を相続した

相続した遺産が直接生活費として使える現金や簡単に売却できるものではなく、処分が困難で現金化しにくい状況では、生活保護の支給が継続となる確率が高いです。

例えば、居住地から遠い場所にある土地や山、買い手がつかなかったり価値が低かったりする不動産や物が当てはまります。

生活保護受給中に遺産相続する際の注意点

注意点

生活保護を受給中に遺産を引き継ぐ際には、以下の点に気をつけましょう。

  • 遺産相続時は速やかに福祉事務所に申告する
  • 生活保護費の返還が求められる場合がある
  • 生活保護が打ち切りになっても再申請できる
  • 生活保護利用中でも相続税は免除されない
  • 遺産相続で負債も引き継ぐ恐れがある

遺産を継いだ後に適切な対応を怠ると、最悪のパターンとして詐欺罪が適用される恐れもあります。

また、遺産相続の手続きには想定外の費用がかかることもあり、注意が必要です。

遺産相続時は速やかに福祉事務所に申告する

生活保護を利用している時期に収入があれば、申告する必要があります。

遺産相続が発生した場合は、すぐに担当のケースワーカーや福祉事務所に報告しなければいけません。

遺産の継承を隠して福祉事務所への申告を怠ったり、財産の内容や額を少なく偽ったりすると、不正受給と認定される恐れがあるため絶対に避けましょう。

生活保護費の返還が求められる場合がある

遺産の継承後に生活保護費をもらっていた場合、後日返却を求められるケースもあります。

ただし、遺産相続が発生した時点で、すぐに生活保護の資格が停止や廃止とはならず、相続が完了した後に返還請求が行われることも多いと理解しておきましょう。

生活保護が打ち切りになっても再申請できる

生活保護が廃止となっても、貯金を使い果たすなど生活が苦しい時は、再度生活保護の申請ができます。

生活保護の再申請は、お住まいの地域の福祉事務所に足を運び、生活保護担当者に確認しましょう。

生活保護利用中でも相続税は免除されない

生活保護を利用中の方は、所得税や住民税などの納付が免除されますが、遺産相続における相続税は特例なく支払わなければいけません。

相続税の納付義務は、一般の相続人と同様なため、遺産の額や内容によっては多額の相続税が請求される可能性も視野に入れておきましょう。

遺産相続で負債も引き継ぐ恐れがある

相続において引き継ぐのはプラスとなる資産だけではありません。

亡くなった方に借金やローンなどの負債がある場合、相続した時点で資産と併せて引き継ぐことになります。

もし、相続する財産より負債の方が多い状況では、遺産の継承により生活保護の利用者がさらに困窮する恐れもあります。

遺産相続で財産より多い負債を背負うのであれば、一切の相続を拒否する「相続放棄」や財産の範囲内で負債を引き継ぐ「限定相続」などの選択肢を検討したほうが良いでしょう。

ただし、遺産の内容によって様々な方法があるため、一度司法書士などの相続のプロに相談することをおすすめします。

遺産相続放棄しても生活保護は受け続けられるケース

遺産相続で生活保護が打ち切りになるのなら、相続を放棄して給付を受け続けたいと考える方もいらっしゃるでしょう。

結論として、生活保護がなくても生活できる程度の遺産があるのに相続放棄をすると、不正受給とみなされて結局廃止となったり、追徴課税を受けたりする恐れがあるためおすすめできません。

しかし、以下に当てはまる時は遺産相続放棄をしても生活保護の支払いが継続される見込みがあります。

  • 相続する財産より負債が多い時
  • 多額の相続税の請求が見込まれる時

亡くなった方の借金は、遺産相続した方が基本的に引き継ぐため、生活保護を受け取っている方の負担が増えないよう相続放棄をして負債の返済を回避できます。

また、遺産として継承したものが現金化しにくいにもかかわらず、多額の相続税が発生する時も相続放棄が有効です。

ただし、相続放棄の期限は相続の発生を知った時から3か月以内と定められているため、司法書士やケースワーカーに相談しながら早めに検討しましょう。

 

生活保護受給中の遺産相続は十分に検討しましょう

まとめ

生活保護を利用している時期に遺産相続が発生したら、そのまま支給を受けられるパターンもあれば、停止や廃止など様々な影響が考えられます。

まずは、ご自身の希望や相続の内容をケースワーカーに伝え、適切な対処や選択肢を検討しましょう。

今後の生活保護の受給資格に関しては、引き継ぐ予定の遺産の内容や額が大きく影響します。

遺産の内容は、ケースワーカーや福祉事務所で把握できないこともあるため、司法書士など相続手続きにくわしい専門家を交えて話し合うことをおすすめします。

 

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